「むー」

「なにを考えているか知りませんが、あなたにできることなんてありませんよ」

「どういうこと」

「王は、レオさまのように優しくはありません」




レオが優しい、か。
確かに、私って結構無礼者だと思う。
それでもなんだかんだ認めてくれているのは、優しいんだろう。
ただ、無関心なだけのような気もするんだけど。



「あなたのような小娘一人、消し去ることくらい容易いんですから」

「け、消し去るって・・・」




物騒な。
でも、聞いている限り独裁者的な王さまだ。

そういう事が出来てもおかしくないのかも。
だからこそ、多くの騎士が王にひれ伏し、王の意のままに動いているんだ。



そう考えたら、それでもレオの側にいるグレンたちってすごいのかも。
今更ながらそう感じた。





「待たせた」




出てきたレオは、マントを身に着けお出かけの正装スタイルに早変わり。





「では、まいりましょう。馬車を待たせております」




グレンに案内されながらレオと私は歩き出した。