グレンたら、レオさまの話ならすんなり聞くんだから。
私たちは今日、レオさまとともに隣国へ行くことになっている。


そこで、レオさまの公務があるから。
本当は王と王子の両人で出向く外交ならしいのだけど、レオをよく思っていない王がその仕事をレオに丸投げしたのだ。
それで一国の王というのだからおかしな話だ。



王はあまり隣国や他国との外交を好まない。
というか、自ら他国へ足を向けるのを煩わしいと思っている。
自分の国で偉そうにふんぞり返って権力を誇示していたい人。



でも、外交をしないわけにはいかないからそういう面倒な仕事はすべてレオに投げられる。
その実績も、功績もすべて王の手柄になってしまうのだ。




ということを、グレンがレオさまの準備を待っている間に教えてくれた。



なんか、納得できない。
自分は汗を流さず、ただ立派な椅子に座って高みの見物。


いいとこどりの王さまなんて。





「最低」

「仕方ないんですよ。王にはそれほどの権力があるのですから」




誰も文句の言えない。
確固たる権力が。