だったらもう、遠慮なんてしない。
そもそも、王子とか、騎士とか、位とか。
私には関係のない話だ。
この世界は、私の存在するはずのない世界なんだから。
だから、彼になんと思われようと。
生意気な奴だと言われようと、関係ない。
そう思えばいいんだ。
「・・・面白い。いいだろう。だが、俺はお前を友だちだとは思わん」
「上等。友だちだって、そのうち思わせてやるよ」
「本当に、お前はおかしなやつだな」
吹っ切れたんだ。
いい意味で。
自分の知らないこの世界。
だったら、好き勝手したって構わないと。
目の前に現れた、ひねくれた王子様。
誰も彼に、文句の一つも言えないのなら。
代わりに私が言ってやっても構わないんだろうと。
私には、こんな生き方しかできないんだから。