「俺がいいと言っているのだ。黙って従え」

「・・・はい」




グレンのいう事よりも、レオさまのいう事に従うべきだよね。
ああ、どうしよう。
お風呂なんて、ばれなきゃいいけど。




「自由に何でも使ったらいい。だが、あの扉は絶対に開けるな」

「え?」

「それさえ守れば、あとは何をしてもかまわん」





レオさまが視線を向けたのは、浴槽がある扉がある方ではなく、その向かいにある扉のもう一つの部屋。
固く閉じられたその扉の向こうには、なにがあるというんだろう。





「わかったか」

「あ、はい。わかりました」





レオさまに確認を取られ、私は大きく頷いた。
レオさまの事を詮索してはいけない。

私は、レオさまを護ればいいんだ。




腰に下げた剣に触れる。
この剣で、レオさまを護る。