でも・・・。 私は自分の掌を見つめる。 魔物を斬った感覚が消えない。 流れた、赤が瞼に焼き付いている。 「ユキ?大丈夫?」 「・・・ごめん。なんでもない」 相手は魔物なんだ。 人間を殺す化け物。 人を殺したわけじゃない。 自分にそう言い聞かせる。 突然。 ヒンヤリとしたものが瞼の上に落ちた。 「え?」 それを取ると、濡れたタオル。 私はフランを見る。