桜花の言った通り、綺麗な景色だった。 桜の花に丁度挟まれて、鏡花が住む村や田んぼが見える。 まるでそれは桜の額縁に入った風景画のようだった。 「うわあぁ……!」 その美しい景色につい、感嘆の声が漏れた。 「ね、綺麗でしょ? ここは僕の秘密の景色なんだ」 「秘密の…?」 「そう、秘密の」 『秘密』というその言葉に、誰かと共有するワクワク感を鏡花は感じ、表情がパァっと輝いた。 「喜んでくれた? これは僕達だけの秘密だよ」 「うん!」