お店を出てみると、
やっぱり外にも
たくさんの人がいた。
たくさんの人の中に
一人だけでいると、
急に心細くなってきて、
私はお城に戻ることに決めた。
もし、
また何かあった時には、
本当に誰も
助けてくれる人はいない。
少ない時間だったけれど、
お城の外の世界を見ることができた。
それで十分満足だった。
私は町を少し離れたところで、
周りに人がいないことを確認してから、
来た時と同じ魔法を使って
お城に戻った。
部屋に戻ると、
私がいないことに心配した父がいた。
「ごめんなさい、少し廊下を歩いていました。」
私は父にそう言って、
ごまかした。



