「侑那、帰るぞー。」


「あ、はーい!今行くね!」


中村 侑那~ナカムラ ユナ~。


俺の彼女で、幼なじみでもあり誰にでも分け隔てなく接する彼女は、男女問わず人気がある。


背は小さめで、笑顔のとても可愛い自慢の彼女は、高校生とは思えない幼さで、中学生に間違われる事をよく気にしている。


そんな彼女でさえも、愛おしいと思う訳なのだが…。


「遅くなってごめんね、悠ちゃん…。」


俺、春井 悠哉~ハルイ ユウヤ~の事を侑那は昔から“悠ちゃん”と呼ぶ。


「ったく、それで呼ぶなって何回言えば良いんだよ?」


小さい頃は良かったものの、高校生にもなると流石に少し恥ずかしい訳で…、


「んむ…。良いじゃんかー!」


彼女はそうでもないらしい。


「それに、悠ちゃんは悠ちゃんでしょう?わたしは、小さい頃の悠ちゃんと今の悠ちゃん、全部好きなんだもん!」


あと、この子には恥じらいというものが無いらしい。


「んな事、大きな声で言うんじゃねぇよ…。」


本当、困る。