翌日、耳を疑うような知らせが来た。



朝練の時、
先輩、今日は遅いな。
やっぱり、昨日のことがあったからかな。

最初は、そんな事しか考えられなかった。
昼食も、何時もカフェテリアにいるのに
一度もキャプテンを見なかった。

流石に遅れるには遅すぎる時間帯だ。

今日は休みかな。

そんな風に知恵と話をした。

放課後の部活にもキャプテンは来なかった。
他の先輩にも聞いたが、誰も知らないと言う。

聞いても仕方ないかと思い、
部活に集中した。

副キャプテンが、全員部室に集合
と言われるまで集中してた。

こんなときになんだ。

そんな風に思った。

部室には、河口先生と児島先生がいて、

「キャプテンが、事故にあった。」

と聞かされた。

辺りは騒然とした空気に包まれた。

私もそのうちの一人で、
先輩が、キャプテンが事故にあったなんて、
信じたくなかった。

トラックに轢かれたと言ったが、
幸いにも、命に別状はなく、
足の骨と右腕の骨を折っただけだと言う。

足の骨と右腕の骨を折っただけ、か。
選手にとって足と利き手は重要だ。

利き手を折ることによって、選手生命を裁った人もいる。
それくらいソフトでは、大事だった。

キャプテンのお見舞いにいく人を
くじ引きで決めた。

当たったのは、私と知恵と、先輩だった。
行きたくなかった。
キャプテンの辛さが、痛いように分かるから。

いつもの私でいよう。
キャプテンに安心させてあげよう。

他の事なんて、
考えられなかった。