ねぇ、なんで……。




次の日、里奈に対面した。

瞼を閉じた里奈の顔は青白く、

でもきれいなままで、花たちに囲まれ、

まるで眠り姫のようだった。

夢ならいいのに……。

「里奈!どうして死んじゃったのよ!」

かつての母が、里奈の棺に向かって

泣き叫んでいた。

でも、その涙は嘘だって、

あたしはわかってるから。

あんたには騙されない。

母の隣には愛人らしき若い男がいた。

コイツら、なにか知ってるはずだ。

父は自分を責めた。兄もまた自分を責めた

「里奈を守れなかったのは俺の責任です」

祐介くんもまた自分を責めた。

里奈……。こんなにも里奈が死んで

悲しんでる人がいるんだよ。

どうして死んじゃったの?

あんたを必要としてくれる人は

たくさんいる。

こんなにもこんなにも

愛されていたんだよ?

あたしは里奈の遺品を整理しに、

かつて自分が暮らしていた部屋に入った。

懐かしい……まだ里奈が生きてるような

気がしてならない。

「お姉ちゃん、お帰り」

そう言って里奈が笑ってる気がして

ならなかった。