「もしもし?」

「夏菜さん……」

祐介くんの声が暗い。そして泣いている。

不安が募る。



「里奈が……里奈が……自殺しました」



あたしの頭の中が凍りついた。

「祐介くん、嘘でしょ? 」

「嘘じゃないです。ごめんなさい…」

あたしは思わず電話を切り、

地面に座り込んだ。

「どうしたんだよ!?」

隼人が心配そうに問いかける。

「里奈が……死んだ」

あたしはそれしか言えず、

そればかり繰り返していた。

隼人は、そんなあたしを家まで

送り届けてくれた。

「お父さん!

里奈が死んじゃったなんて嘘だよね?」

父はなにも言わない。

兄もなにも言わない。

「夏菜、明日里奈のところに

行くから準備しろ」

父はあたしに背を向けて泣いていた。

里奈……どうして自殺なんかしたの?

どうして?

あんなに楽しみにしてたじゃない。