空が笑った



慣れないランドセルの重りで猫背になっていた背中を後ろに逸らした。

廊下の先にずっと捜していたお父さんが見えた。


病室に入って行くお父さんを追ってあたしもその病室に入った。


「お父さん! 」


「るっ、瑠衣! 勝手に病室に入るなと言っているだろ!」

黒髪はワックスでしっかり整え、白衣を着る事により、より清潔感が出てお医者さんっぽく見える。

優しそうな顔をしているからか怒っても全然怖くない。


「1人で来たのか? お母さんには言ったか?」

この病院は家から5分ぐらいの所にありあたしは暇があればいつも通っていた。


「見て! あたしのランドセルが届いたの可愛いでしょ? ね?」

ランドセルを強調させようと一周回って見せた。

「ほんと話を聞かないんだから...。
ああ、可愛いよ。

でもな瑠衣、ちょっと静かにしてな。 ここには患者さんがいるんだから」


「患者さん?」

お父さんの体を前に横から顔を出すと、私と同じぐらいの歳の男の子がベッドに座ってこちらを見ていた。


不意に目が合う。
ドキッとして咄嗟にお父さんで隠れた。


「比奈樹先生、俺大丈夫だよ。 うるさい方が楽だし」