『行けるか?』
とんとん、と叩かれて振り返るとそれだけ書かれたノートがあった。
私は、頷いて立ち上がった。
その場所を離れ、崖の方に行く。
もう一つのお父さんの遺言は
《崖の上の神社をお参りして。》
きっと、秀は、それを知り覚えていたんだ。
ごつごつとした場所を上がっていく。
二人、手を繋いで。
ついた、と言わんばかりに、秀がため息を吐く。
久しぶりの運動に疲れたのかも、と勝手な判断でベンチに並んで腰かけた。
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