バレンタイン*少しの勇気をください。




「薔薇野さんに聞くけど、なんで俺を避けてたの?」




すぐ近くから聞こえる東雲くんの声にドキドキしながら、息を潜める。




「薔薇野さんバレてるんだから隠れてても意味ないからね」






そう言って、あたしが隠れている掃除用具入れのドアを勢いよく開けた。





「きゃっ⁉︎」







そうして、あたしの手を勢いよく引いたかと思うと、東雲くんの腕の中に閉じ込められていた。