バレンタイン*少しの勇気をください。



「はっ?ちょ、待て!
この野郎!」



「ヒィッ!」



あの優しさの塊であろう東雲くんの怒った声。





…とてつもなく恐ろしい。




だから、後ろから聞こえてくる声に怖くなりながらも走る足は止めない。




「止まれって言ってんだよ!」



「ごめ、んなさいっ!」







はぁはぁ。と上がる息を無視して言葉を出した。