「ねぇ、なんで俺から逃げたの?」 「え、あ、あの」 「俺なにか悪いことした? 薔薇野さんが嫌がることした?」 「え、え、っと」 「してないよね? なのに薔薇野さんは俺から逃げた」 「…っっ」 その言葉があたしの胸に突き刺さる。 「ごめんなさいっ!」 あたしはその言葉と同時に東雲くんに背を向けて走り出した。