バレンタイン*少しの勇気をください。



「ねぇ、なんで俺から逃げたの?」


「え、あ、あの」


「俺なにか悪いことした?
薔薇野さんが嫌がることした?」


「え、え、っと」


「してないよね?
なのに薔薇野さんは俺から逃げた」


「…っっ」


その言葉があたしの胸に突き刺さる。



「ごめんなさいっ!」







あたしはその言葉と同時に東雲くんに背を向けて走り出した。