校舎の中を走っていると、窓の外に最近見慣れるようになった綺麗な栗色が見えた。 「いたっ!!」 急いで向かうと、中庭に一人、ポツンと立っている東雲くん。 「東雲くん!」 意を決して呼びかけると、東雲くんの憂いの帯びた瞳があたしを写した。 「…薔薇野さん?」 「えっと、あの…東雲くん」 そして東雲くんの瞳が憂いから怒りに変わった。