「えっと、薔薇野百合です」 この人もあたしの名前を聞いて、姉と比べるのかなと思うと一気に気持ちが萎んだ。 「いばらの、ゆり…。 薔薇野さんか」 そうあたしの名前をつぶやくように復唱すると、あたしの手をぎゅっと握ってきた。 「俺の名前は、東雲優。 …仲良くしてくれると嬉しいな」 後半はユキちゃんみたいに、頬を赤らめ斜め下を向きながら自己紹介してくれた。