「って、こいつ“薔薇野百合”じゃんか」




「本当だ。お前そんなのにぶつかったのかよ」



あたしを“薔薇野百合”と認識した二人は、すっごく嫌そうな顔をしながらあたしを見てきた。




さっきまで謝ってたくせに。あたしだってわかった瞬間手のひら返して。




…最悪。




涙が溢れそうなのを我慢して立ち上がろうとすると、ゴンと鈍い音が聞こえ、後から男二人の小さな悲鳴が聞こえた。






「ごめんね。
大丈夫だった?」




と申し訳なさそうに手を出してきた男子生徒。