哀しみの先に

昨年春、最愛の母が、亡くなった…。
61歳の早すぎる死に、私はなすすべが無かった。

母には最期に、産んでくれたことへの、感謝の気持ちを伝えれて、良かった。

けれど、私の心には、大きな穴が、ポッカリと開いてしまった。

末っ子で、家庭内の事情で、生き別れ状態だった私に、お母さんの記憶は少なくとも、
そこには、確かに母と娘の絆はあった。

それは、私の身体に刻まれている。
私の身体が、母からの忘れ形見であることを…。

母を憎んだ時もあったけど、母が命を削ってまでも産んでくれた、この大切な命を、粗末にしたくない…。

母を心から許し、愛せるようになった今では、母が何の心配もなく、天国で暮らせるように、現世に住んでいる、私が明るく、幸せにならないとと、前向きに考えている。

ポッカリ開いた穴を、撫でながら…。