この人物は何をしたのか。
速すぎて、目が追いつかなかった。

気付いた時には、襲った奴らは、倒れ込んでいた。


俺は、唖然としていた。


すると、襲った奴らを倒した奴が口を開いた。


「男が襲われるとは情けない。」

そう低く冷めた声でその人は言い放った。


その言葉で、俺の首筋に冷や汗が流れた。

それと、同時に、脳裏に


(狐火)



という嫌な言葉と共に確信という言葉が、浮かんできた。


そうあれは、小学六年生の時。

国語の教科書に狐火の事が載っているのを見かけ気になって先生に聞くと、

「狐火を見つけたら必ず逃げなさい。」

そう言われた。

その時は、余り気にしていなかった。


たが、まさかここで会うとは、思わなかった。