課長、ちゃんと聞いてください。








俺のしがないワンルームマンションに着くと、あべちゃんは興味深そうに視線を巡らせている。






「あべちゃんたら、そんなにきょろきょろして、どしたの〜?


たいして珍しくもない部屋だと思うんだけどな〜?」






狭いキッチンに立ち、電気ポットで沸かしたお湯でインスタントコーヒーを淹れながら言うと、あべちゃんが俺に視線を向けた。






「………すみません。


他人の家に入ったの、初めてなので………もの珍しくて」






さすがあべちゃん。



まるで漫画の登場人物みたいだなぁ。






でも、あべちゃんが初めて立ち入った他人の家が俺の部屋だなんて、かなり嬉しいぞ〜。






俺は内心にやにやしつつ、あべちゃんの前のテーブルにマグカップを置いた。