課長、ちゃんと聞いてください。

「そっかぁ、じゃあね~、お肉もお野菜も食べれるとこ、行こうか~」





「はぁ………」





「今日、オシゴト終わったら~、焼き肉おごってあげよ~」






あべちゃんは一瞬、きょとんとした顔をしてから、






「ありがとうございます、課長」






と丁寧に頭を下げた。




うーん、こんなときにもきっちりしてるなあ。





俺は無意識のうちに、あべちゃんの頭をぽんぽんと撫でていた。




その瞬間、あべちゃんの顔がぶわっと赤くなったので、俺のほうもぎくりとしてしまう。






「あっ、えと、ごめん……思わず………」





「いえ、謝る必要は………」





奇妙な沈黙が漂ったとき、向こうで俺を呼ぶ声が聞こえてきて、俺は「じゃ、じゃあ後でね~」と手を振ってあべちゃんのもとから立ち去った。