「なんの病気なの?」



少し控えめに聞かれたけど、もう隠し事はなしにしよう…



『“癌”』



そういうと目を見開いた



「治るの?」



『治るんなら…別れてない…』



いつの間にか、涙が伝っていた

その涙に気づいた彼が、私に近づいてきた…



「ねぇ…俺ともう一回…付き合わない?」



えっ…



「そしたら…その涙拭ってあげる」



『でも…私…』



「俺が欲しいのは、理屈じゃなくて、千咲の本当の心」



良いの?

差し出された手を掴んでも



「千咲はさ…寂しくなかった?
俺と別れてから…」



『…』