『何が?』



「ふってあげられなくて…ごめん」



『えっ…』



「好きすぎて…どんなに酷いことされても好きで…ふるなんて…俺には出来ない」



『別れてください…』



私から言ったんだ…



「…」



『さようなら…』



何も言わない彼をおいて、私は公園を後にした…



「千咲!!」



振り向きそうになった…

大好きな彼に名前を呼ばれたから…


でも…振り返ったらダメなんだ…



『大好きだよ…』



何故か過去形にできなかった想い…

忘れなきゃいけないのに…


色が消え、真っ暗になってしまった私の世界…


そこで感じた右手の温もり


誰?夏川君?


行かなきゃ


夏川君が待ってる…