千咲が死んだ


信じたくなくても、現実は変わらない…


涙は絶え間なく流れ、覚悟なんて跡形もなく崩れ落ちた


千咲が亡くなることは覚悟していたつもりだったのに…


一番混乱している砂千のことを支えることも出来ない


こんな母親でごめんね…


加絵ちゃんと夏川君はどこかに行ってしまった


私はふと“引き出しの一番下”という千咲の言葉を思い出した


引き出しを開けてみると、四枚の手紙が入っていた



『あなた…』



「…ん?」



『これ』



そう言って私は手紙を見せた



「それって…」



『千咲からの最後の手紙』



そこで私はこの手紙は今読まなければいけない気がした