「千咲が亡くなる直前、“引き出しの一番下”って言ったの覚えてる?」



あぁ確かに言ってたな



『はい』



「さっき見てみたら手紙が入ってたの」



手紙?



『私にですか?』



「えぇ 私達宛のやつはもう読んだの そして思ったの 今だからこそ読んで欲しいって」



今だからこそ?



「夏川君には砂千が渡しに行ったわ
読んでくれるかしら?」



『はい』



ちゃんと受け止めるよ

千咲の気持ちを…



「今までありがとう 今日はもう帰ってゆっくり休んでね」



そう言って私に手紙を渡し、千咲のお母さんは去っていった

“今だからこそ”か…

私は決心を固め、手紙を開いた