ちーちゃん…いや、違うね


千咲が亡くなった…


こんなに泣いたのはいつぶりだろう…


ピーーーー


と言う機械音で現実を思い知らされた


千咲の表情は今までにないくらい穏やかだ

ただ、血の気がなく、冷たい…


千咲が逝くまでは泣かなかった千咲のお母さんが泣き崩れた


その肩を抱いて膝をついている千咲のお父さんも泣いている


砂千ちゃんは千咲に縋っている


夏川君はただ呆然とその場を眺めている


私はこの場の雰囲気に耐えられなくなり、病院の中庭へと向かった

好都合なのか、都合が悪いのかわからないけど、中庭には誰もいなかった


考えることは千咲のことばかり