「おらおらおらぁ!!もっとマシなもんは出せねぇのかぁ!!」
赤い髪色をした大男が椅子を蹴飛ばしながら怒っていた。
その大男の腰には剣があり、
怖がって誰も止めようとはしない。
レストランの店主と思われる男がビクビクしながら止めるよう頼むが、大男が殴り飛ばしてしまった。
旅人は、微かに開いた口を閉じると、
チラリとレストランの方を見て、もう一度口を開き、
凛とした透き通るような声でつぶやいた。
「...随分賑やかだな。この都は平和だと聞いていたが。」
淡々という旅人に、店主はハハッと苦笑いをこぼす。
「あれは多分観光客だよ。ほら、あの髪色。あれはルジールの奴だ。」


