それもそのはずだろう。
この暑い真夏の中、その旅人だけ長袖長ズボン、そしてフードまで顔がすっぽり隠れるほど深く被り、おまけに全身黒ずくめなのだから。
しかも、怪我をしているのか、右手には包帯を巻いている。
だが、フードを被るのは別に変ではないかも知れない。
この都だけではなく、この世界の都では必ずフードを被っている奴が存在するのだ。
そういう奴は、たいてい季節を問わず1年中フードを被っている。
何故フードを被るのか。
それは、この世界にとって、髪色とは相手を知るためにかかせないものだというせいでもある。


