天使の禁忌

  
  


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< 中立都市 アルト >
 


 
 
「へい、らっしゃい!」
 


 
威勢の良い声とともに店の奥から
1人の店主と思われるオジサンが出てくる。
  


  
「おや?お客さん旅人か?見慣れない服装だなぁ。どこの都から来たんだい?」
  


  
そんな店主の声を無視して、
さっき店に入って来た旅人は無言で椅子に座った。
  


  
店の外では、桃色や白色、そして黄色など、
さまざまな髪の色をした人達が歩いている。
  


  
アスファルトからは、ゆらゆらと湯気のようなものが立ち上ぼり
  

ミンミンと蝉が今は夏だと告げる中、
  


  
その旅人は1人、周りから浮いていた。