付き合う...?ってつまりそういうこと?
いやいや待って?話したことも見たこともなかった人ですよ?
絶対おかしいでしょ!
「いや、さっきまで名前すら知らなかったのに、おかしくないですか!?」
そう叫んだ瞬間、彼の顔が近付き、耳元で囁かれる。
「敬語、禁止」
「ひっ...!」
な、な、なに...!?
「敬語使ったらキスするよ?」
「な、ななな、なんでっ...」
なにこいつ!?何様!?
...とか、怒っているはずなのに、なんか違うドキドキが収まらない。
私、こんなやつにドキドキしてんの...!?
なんて思っていたら、彼は私の唇に自分の人差し指を押し当ててくる。
「いい?敬語禁止、ね?」
「わ、私っ...まだ付き合うなんて...一言も...」
「拒否権なし、決定事項。」
「は、はぁ!?」
「ん、これ連絡ちょーだい」
理不尽極まりない会話の中で唐突に差し出された紙切れ。それと同時にチャイムが鳴って彼は立ち去って行く。
紙切れには、メアドが記されていた。

...何この出会い...!?