出会いって、突然で。

だからこそ、奇跡で。

それは、同性でも異性の場合でもそうだ。
出会いを大切にすれば必ず幸せは訪れる。
それが、どんな出会いであっても......!?

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「あのー...」
「ん?」
「い、いや...ん?ではなくて、この状況はか なりおかしいと思うのですが...」
斎藤葵。高校2年生。見たこともない男に人生初の壁ドンを経験させられている今の状況は、どう考えてもおかしいと思う。
「おかしくねーよ」
いや、確実におかしいです。
......まず状況を整理してみよう。
私は自分のクラスである2組に入ろうとしていたはず。親友の藍が待っている教室へ。
しかし、ちょうど人通りの少ない廊下へ差しかかったところで誰かとすれ違った...と思いきや、なぜだかいきなり壁ドンをされたと。
あきらかにおかしい...まずあんた誰ですか。
「あの...何かご用でも...?」
同学年であることには間違いない。敬語になってしまう自分を殴りたい。
「うん、俺、橋本和馬。1組。君にお願いがあって」