窓際の席についてまず目に付くのが、

机に思いっきり足を乗っけて雑誌を顔に被せて寝てる姿の人



何ですかこの人…………


そして、その隣に座ってる女の子より可愛んじゃないかってぐらいの美青年は白兎を抱いて大きな瞳でこちらを見ていた。

でも、この子は瞳に光がない。
金髪に青色の瞳だから多分ハーフだろう。
その青色の瞳には一切の光を宿そうとしてない。

こんなに綺麗なのに勿体無いな……

そんな事を思ってると。

「ちょっとあんた!何、流風様の事じっと見てんのよ!」


余りにもじーっと美青年を見ていたせいか変なふうに思われたんだろうな。

パーマがかかったショートヘアーの黒髪少女が、腕を組んで詰め寄ってくる。

その後ろには、黒髪に肩よりちょっとしたぐらいの髪の毛を横にまとめてくくっている少女が、同じく腕を組んで睨んでくる


な、なんか絶対この二人いじめのリーダーみたいな?クラスのリーダーみたいな?
感じの人っぽいよな……



「え、ぁぁ別に。」

只、見ていただけだから。

素っ気なく答えた私が気に食わなかったのかさっきよりももっと詰め寄ってくる

な、何々?

「何!?その態度!ちょっと美少女だからっていい気にならない事ね。
流風様もあんたみたいな凡人気に入るわけがないわ!」


ぇえー??そういう展開ですか!?
ていうか美少女でもいい気にもなってませんが……

凡人は合ってると思うけど……



「そーだそーだ。よそもんは帰れ!」
そう言って投げつけて来たのは教科書。

その教科書の角がちょうど頭にあたる。

その瞬間に激痛が走った


「っ……」

「ふん。いい気味ね。さっさと帰りなさい」
「どうせお前なんか低レベルの能力しか使えないんだろ?」
「低レベルがここに来てんじゃねー!」

何かとどんどん投げつけてくる
こいつら……!


うざいけど、ここは抑えないと超能力が発動してしまう……!



「ちょっと、やめましょう!」

間に入ってくるのはメガネを掛けた頭が良さそうな男の子。

「こ、困ってるじゃないですか……増しても転入生なんですから……!」

「うるせーよ!いーんちょーは黙ってろ!」
「そーだそーだ。」
「だったらいーんちょーが助けてあげればいいじゃねーか!」


皆の声を聞いて縮こまるいーんちょーとやら。

「あの。私は大丈夫なんで……」
一言呟くように言うといーんちょーは困った顔を向けた。

そんな今にでも泣きそうな目を向けないで欲しい。

「てか、お前の能力見せてみろよー!
ま、どうせ低レベルなんだろ?」

ふーん。舐めてもんだねぇ

まぁ、能力なんて使わないけど。


「おい聞いてんのか!」

「私の能力この教室でつかうと吹き飛びますよ。多分」


冗談半分正直半分真面目な顔で言うと周りは一瞬沈黙になり怖気づいたような顔を見せた。


やっぱこんなもんか。
はーぁ、面白くないなあ


そんな事を思ってるとふとカサっという音が耳元近くで鳴る。

隣を見てみると、雑誌を顔に被せて寝ていた黒髪男はいつの間にか起きていてじーっとこちらを見ていた。


「な。なに。」

余りにも無表情でじーっと見るから少し後ずさりをする

「俺と戦って」



「は……?」

余りにも唐突過ぎて間抜けな声が出てし まった
てか、え、いまこいつ……

「だから、俺と戦って」

「俺と戦えばこいつの強さが分かるはずだ」

黒髪は皆に言い聞かせるように言った。

「無理。私が本気で戦えばあなた死ぬよ。」

これは、本当。
実際いるんだし、嘘もこうもないわ。


「お、お前!」

坊主頭が私につっかかてくる。

「ふん。おもしれーじゃん」

少しだけ口角を上げて笑う黒髪に殺気を感じた。

何こいつ……本気なの?



こいつの目は黒目だけどどこか燃えるような色をもってる。
私もよく分からないけど、餌を見つけた鷹のような……

こいつの目を見てると何だかゾクリとしてしまう。



「はぁ……いいよ。」
何を言っても聞かなさそうだし。


「でも、死んでも知らないよ?」

クスリと笑って挑発をしてみる。
黒髪もニヤリと笑う。

今頃だけど、白兎を抱いてる男の子と同様こいつもイケメンだ。
ニヤリと口角をあげた顔でも嫌味のように
似合ってしまう。


なんか憎たらしいな……


「んじゃ、明日、昼休みにコロシアムにて。」

それだけ言うと教室を出ていった。
そのあとを白兎を抱いてる男の子もついていく。

てか、ここコロシアムもあったんだ!?
ここの学園すごいなー!


しょうもない事に関心しながら私は席についた