彼女とボクの最終定理

――「石神、何かあったら先生にいつでも相談していいんだぞ。」


…正直びっくりだった。

まさかこの先生からそんな言葉が出てくるなんて。


少しは、頼ってもいいかな…。



―――――…ボクは全てを話した。
学校生活の事、ボクの扱いを。

「……そうか、大変だったんだな。わかった、先生に任せときなさい、な?」

「…はい。」

今まで、ボクに味方はいないと思ってた。
まともな大人に出逢えないと思い込んでた。

―踏み出せなかったのは、ボクだったのかな…。



『探さなきゃ、見つかりもしない』



ああ、そうか。

そうだった。

きっと、こういう事だったんだろう…。


しんみり優しさを噛み締めて、ボクは教室を後にした。


――「…ただいま。」

そうだよな、誰も、居るわけ無いよな。

でもボクにとって、この家に誰も居ないって事はとても心地が良かった。

学校の事も少しはマシになるかな、そんな安心感でボクはそのまま眠りについた。




―――…そんなはず、ないのに。