彼女とボクの最終定理

ボクはなんとなくリプライを送ってきた人のプロフィールを開いた。

ニックネーム:東
ツイート:26008
フォロー:3
フォロワー:3
画像/動画:8


…東って言うのか。

ボクのツイッター名は辻で由来はボクの好きなキャラクターから取った名前だ。

なんの偶然か、ボクの好きな辻と言うキャラクターの隣にはいつも東と言うキャラクターが居た。

しかもお互いにフォローしてたんだ…気づかなかった。

2万6千も何を呟いてるのかと何気なくツイート欄に目をやった。

『生きてたって意味ない』
『死ぬしか道がない』
『どうして死ねないのか』
『生まれてきたくなかった』

画像欄にはリストカットの画像がびっしり並んでいて慣れない血の色に動揺して携帯を落とした。

「なん、だ。これ…」

思わず声が出た。

こんなことをずっと一人で2万も呟いていたのかこの人は。

―――ヴーーッ!

床に落ちた携帯がバイブ音を響かせる。

『ここには居場所がないからです』
 ―『探さなきゃ見つかりもしないね。』


探さなきゃ、見つからない。

何故かその言葉に嫌悪を抱いたボクはそのまま返信を返さなかった。

今思うと核心を突かれた事が、悔しかったのかもしれない。


―――周りがやけに騒がしい。

嗚呼、そうか。
今日は席替えだったっけ。

正直ボクは、空気で居られる所なら何処でもいい。

…と、思ってたのに。

「うわ〜w臭い奴と隣だわ〜www最悪w」

うわ〜、はこっちのセリフだ。

クラス一荒れてる奴の隣になってしまった。


これはしばらく苦労しそうだわ…。

「絶対こっち向くなよな臭いからwww」

周りもクスクスと笑い始める。

結構キツいな…。



―――「石神…!」

やっとのことで学校生活を終えて帰ろうとしたその時、担任に呼び止められた。