桜吹雪が、私の黒髪を舞い上げ、耳元を通り抜けていく…。

まだ、少し肌寒さを残す4月の春風は、新品の制服と何処か似ている。


こう、なんだか、少しピリっとくるような所とか。


そんな微妙な緊張を隠しながら、今、私はここに立っている。


「優子、おっはっよっ!!」


聞きなれた声に、反応しようと振り返った。


「バッカーーーン!」


目からお星様。




清々しい朝に、満面のお星様。


「いったぁ…!!ちょっと、何すんのよ、チカちんっ!!」


顔面にクリティカルヒットしたのは、中学から仲良しグループだったチカちんの新品のカバン。