男の子から映像が流れ込んできました。
家族と遊んでいる映像…
お父さんとお風呂…
お母さんのお弁当…
お姉さんとけんか…
お友達といたずら…

小学校…
ピカピカのランドセル…

私?
そっか、1年生の時同じクラスだったね…

あれ?
ゆいりくん…
ずっと私を見てる…?

好きだったの?
消しゴム貸してあげたから?
それだけ?

かわいい理由だね…

あ…
あの時だ…
私が野良犬に追いかけられて…
ゆいりくんが追い払ってくれて…
あぁ…
そっか…
ゆいりくんも本当は怖かったんだ…

私のため?
頑張ってくれたの?
勇気を振り絞ってくれたの?

そうだったんだ…

ゆいりくん…
ゆいりくんは私なんかよりずっと前から私のこと好きだったんだね…

なんか嬉しいな…

あ…
中学校…
この頃のゆいりくんはちょっと怖かったな…
いつも眠そうで…
話しかけるなオーラがすごかった…

そうだ…
図書委員…
同じ図書委員だったよね…
嬉しかったんだよ?

え?

楽そうだから?

そんな理由だったんだ…

ゆいりくんも本が好きなのかと思って喜んでたのにぃ…

体育祭…
ゆいりくん足速かったよね…
私は運動苦手だから嫌だったなぁ…

文化祭…
図書委員の発表…
一緒に資料作りしたね…

修学旅行…
球技大会…
受験勉強…

卒業式…

生きてゆいりくんと会ったの…
卒業式が最後だったね…

高校…
私の知らない友達…
私の知らないゆいりくん…

私の知らない…

あれ?

高校の卒業式?

え?

大学…?

どうして?
これはゆいりくんの記憶じゃないの?