『こうなってしもうたら手の施しようがないのぉ…』

『あんた遺族会のリーダーやろ!?ホルダーの専門家やろ!?なんとかならんのか!?』

『儂らは共食い専門じゃからな…』

『詩乃ちゃんかて助かったんやろ!?なら唯里も…!』

『小僧のリンクと詩乃のパミットが揃って初めて起こせる奇跡、肝心の小僧がこれじゃとどうにもならん…』

『他にそのリンクとかっての使えるヤツおらんのか!?』

『リンクにも色々ある…小僧と同じ事ができる者が果たして現存するか…』

『自警団と遺族会のネットワーク使たらなんとかなるやろ!?』

『時間が足りん…』

『時間!?』

『ノイズが暴走しとる、もって精々五日じゃろうな…』

『5日もあれば…』

『不可能じゃ!世界中探してもおるかどうかも判らん人間を五日で見つけるなぞ不可能じゃよ…』

『諦めろ言うんか!?』

『残念じゃが…』

『ふざけんなやクソババァ!詩乃ちゃんもなんとか言うたれ!!』

『ありがとうございます、このまま誰もいないところに行って二人で最期まで一緒にいます…』

『はぁ!?何言うとんねん!?』

『せめて誰も巻き込まないように、ゆいりくんがゼロになるまでバインドかけ続けます…』

『詩乃…』

『ありがとうございました…』

『俺は納得せんぞ!唯里は俺を助けようとしてくれた!今度は俺の番やろが!!』

『虎彦さん…』

ゆいりくん、虎彦さんは本気でゆいりくんのこと心配してくれてるよ?
いい友達をもったねゆいりくん。
なんだか私まで嬉しいよ…

『自警団の坊主、今は二人にしてやれ』

『あぁ!?』

『私からもお願いします…いつバインドが解けるかわからないし…』

『っ!?』

『怯えたな坊主…お主のためてもある、今は引け』

『…すまん…また様子見にくるわ…』

『うん、ありがとう虎彦さん』

『詩乃、無理はするなよ?何かあったら遠慮なく儂を呼ぶんじゃぞ?』

『はい、ありがとうございます環さん』

『行くぞ坊主』

『唯里…すまん…』

二人は帰りました。
久しぶりに二人きりだねゆいりくん…