2日後、俺と詩乃は捜査本部…だった我が家に戻っていた。

あの後、花子さんは男を担いで最寄りの交番へ駆け込んだ。
男達は婦女暴行で逮捕。

黒服の一人をバァさんが拉致、拷問にかけ情報を吐かせた。

男達はなんらかの手段でノイズを宿し、他のホルダーを喰らう事で更なる力を得ていたようだ。

喰われた者は丸1日ほどで完全に取り込まれてしまっていたようだ。

佐和田のオッサンはホルダーとしての能力が高かったために助かったが、他の失踪者は俺達が捜査を始めた時点ですでに手遅れだったことになる。

花子さんは現在療養中。
常人なら立っていられないほどの重傷だったそうだが、忍術で戦ったと本人は言い張っている。

虎彦は喰われた直後に救出されたため、数時間で回復した。

自警団への報告を済ませ、現在我が家に居座っている。

『なんとも後味の悪いエンディングやなぁ』

『そうだな…』

『しっかし、詩乃ちゃんは今回のMVPやな』

『へ?私は特に何も…』

『いや、マジで今回は詩乃がいなかったらヤバかったよ…』

『女子二人だけでも解決できたんちゃうか?』

『そんなこと…』

『そうだな…俺達はなんの役にも立ってない…』

『唯里?』

『俺は無力だ…』

『ゆいりくん?』

『俺がもう少ししっかりしてれば!』

『ちょ…唯里!?』

『俺が…俺がぁぁぁ!』

『ゆいりくんダメ!』

『くそぉぉぉぉぉ!!』

『な…なんやこれ…』

『虎彦さん逃げて!』

『でも…これ…ノイズ…』

『逃げて!』

『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

『遺族会のリーダーさん呼んでくるわ!』

『お願い!』

ゆいりくんが…

消えていく…