『つまり、彼女さんのタレント使てノイズを移動させた、と?』

俺は虎彦に簡単に説明した。
ノイズが詩乃のものだという部分は隠して。

『うん、俺も少し手伝ったけどね』

『そんなことできる人間なんぞ自警団にもおらんぞ?』

『自警団がどんな組織か知らんけど、実際できたもんはしょうがねぇじゃん』

『そらまぁそうやけど…』

『あんな危ねぇもん放置しとくのもあれだしさ』

『まぁな、なくなったこと自体は万々歳やわ』

『ノイズはファーストにも影響するみたいだしな、むしろよく今まであそこで大人しくしてくれてたもんだよ』

『何言うてんねん、ノイズがファーストに影響するなんて聞いたこともないわ』

『へ?』

『実際に影響するんならあんな人通りの多いとこでいつまでも残っとるわけないやん』

『どういうことだ?』

『知らんがな…まぁなんにせよなくなって良かったわ、さっそく上に報告せなな』

『あ、俺らのことは内緒にしといてくんない?』

『は?お前らのこと隠してどう報告せぇ言うねん』

『気づいたらなくなってたとか…』

『そんなアホな言い訳が通用したらええけどな…まぁ善処してみるわ』

『お願いします』

『言うとくけど、お前のためちゃうぞ?彼女さんのためやからな?』

『あ〜はいはい…』

『ほなな〜、またトークするわぁ』

そう言うと虎彦はムーブしていった。

『賑やかな人だね…』

『そだね…』

(それにしても…ノイズがファーストに影響しない…?どういうことだ?)