翌日、俺は詩乃と共に隣街の本屋…詩乃から切り離されたノイズの元に来ていた。

『じゃぁ詩乃、さっき説明した手順でやってみよう』

『できるかなぁ』

『できなかったらできなかったで他の方法を考えればいいさ、気楽に、自分を信じてやってみよう!』

『わかった』

『んじゃぁ…』

『唯里!』

『ん?』

『何しとんねん?』

『虎彦!』

『ん?その子誰?まさか彼女か?』

『あぁ、うん、彼女の詩乃』

『こんにちは…』

『こっちは虎彦』

『よ…よろしゅう…』

《彼女おるなんて聞いてへんぞ!》

《今聞かせたじゃん》

《うつさいわ!裏切りモン!》

《なんだそりゃ…》

『んで?何しとん?』

『ん?いや、このノイズどっか遠くに捨てようかと…』

『はぁ?そんなことてきるわけないやん』

『うん、まぁできたらラッキーかな?と』

『どゆこと?』

『まぁ見てて、詩乃、やろうか』

『バインド!』

詩乃のバインドがノイズを縛る。

『お?やっぱ効果あるね』

『うん!』

『ちょ!お前ら何してんねん!?』

『黙って見てなって』

『だめ!ノイズの抵抗が思ったより激しい!バインドで精一杯!目的地に集中できないよ!』

『手伝う!リンク!』

(バインドの処理に集中して!)

(はい!)

(目的地イメージ!乱れた分はこっちで補完するから思い切ってムーブして!)

(はい!いきます!)

(いっけぇぇぇぇぇ!!)

見知らぬ森…昨夜のリンクの際に見た詩乃と環の修行場所に着いた。

(よし!上手くいった!バインド解除!急いで!)

(はい!解除した!)

(オッケ!ムーブする!)

俺達はもとの本屋裏に戻ってきた。

『よっしゃ成功!』

『ありがとうゆいりくん!』

『いやいや詩乃がすげぇんだよ!』

『ちょい待てや!お前らマジで何しよった!?』

『だからノイズを捨ててきたんだってば』

『普通に考えてそんなんできるか!』

『いやでも実際できたし』

『普通やない言うとんねん!』

『何一人で興奮してんだよ?ちょっと落ち着け』

『落ち着けるか!』

『とりあえずここじゃ人目につくし、詩乃、我が家まで虎彦ラチって』

『バインド!』

『あがっ!』

『ムーブ!』

俺達は我が家へと移動した。