『なるほどのぉ、それは嫌われてもおかしくないのぉ』

『そう…ですよね…』

『しっかし、あの小童も器の小さいことよ』

『器って…』

『まぁよい、行く宛がないならちぃと儂に付き合わんか?』

『付き合う…?どこへ?』

『修行じゃ修行』

『修行!?』

『お主には儂のバインドを継いでもらう』

『でも…』

『ではどこか行く宛でも?』

『ないです…』

『決まりじゃな』

『はぁ…』

『儂は準備がある、先に外で待っておれ』

『はい』

私は外に出ようとしました。
すると、私の背後に女の人が立っていました。

『うひゃぁ!』

『どうなさいました?』

『ごめんなさい!びっくりしちゃって…』

『ふふふ…可愛いのね、あなた』

『え!?あ…ありがとうございます…』

『…ニンニン』

『にんじん?』

『あなたは苦手です』

『え…えぇぇ…ごめんなさい…』

『それくらいにしておけ花子』

『御意』

『詩乃も早う行け』

『は…はい』

私は外に出ました。
誰かが中にムーブしてきたようで、男の人の声が聞こえました。

『待たせたの』

『あ…いえ、大丈夫です』

『では行くか』

『えっと、どこへ行くんですか?』

『バインド』

『え…ひゃ!動けない…』

『ムーブ』

『!?』

気がつくと見知らぬ森の中にいました。

『え?え?どうして?』

『バインドで連結したまま強制的にムーブで引っ張ったのじゃ』

『そんなことできるんですか…』

『想像できる事は大概出来るもんじゃ』

『想像…ですか…』

ゆいりくんと仲直り…もできるのかな…
それとも…死ねるのかな…