『と言うわけじゃ』

『なんだろう…今なんかすっげぇファンシーな映像が見えた気が…』

『ここまでは理解できたかの?』

『まぁなんとなく』

『娘はどうじゃ?』

『な…なんとなく…私はレベル3ってことですよね?』

『それなんじゃがな、儂はお前さんの力はレベル5じゃと考えとる』

『え?』

『未確認ってことか?』

『お前さんの力は物理的に干渉する力ではない、干渉させる力じゃ』

『どこが違うんですか?』

『そうか!なるほどね』

『小僧は気づいたか』

『え?え?』

『つまり、しのちゃんは俺に触れてるんじゃなくて、俺に触れていいよって許可を出してるだけなんだよ』

『そういうことじゃな』

『えっと…?』

『ってことは…しのちゃん』

『はい?』

『俺がオッサンに触れる想像をしてみて』

『??わかった』

『オッサン手貸して』

『こうか?』

『オケ、ノイズは出さないでね?』

『ああ』

『しのちゃんオケ?』

『うん』

『よし』

オッサンの手に触れてみる。

『さわれた!やっぱそうだ!』

『思った通りじゃな』

『すげぇよしのちゃん!』

『ん…よくわかんない…』

『恐らくそれはリンクの一環じゃ』

『リンクの!?しのちゃんもリンク使い?』

『その質問に答える前に、リンクについて話さねばの』

『もったいぶんなよロリババァ!?』

『水辺!貴様!』

オッサンのノイズ発動。
これマジ怒りだ。

『よい佐和田』

『はい』

オッサン萎縮。
このロリババァすげえな。

『リンクとは複合的な能力じゃ、レベル5以外は全てリンクと言っても過言ではなかろう』

『複合?』

『特定の人物へのフォローの拡大解釈、これは【スナイプ】、周囲の人間の無差別感知【サーチ】、意識の同調【シンクロ】これが今お主が使える能力じゃな?』

『ええ、そうです』

『これらはリンクのオマケじゃ、どれもレベル2程度の誰でも使える能力じゃ』

『オマケって…』

『リンクの本質は支配じゃ』

『支配?』

『例えば娘の力…そうじゃな、許可【パミット】とでも呼ぼうかの、その力は支配系と言えるのう』

『物理干渉そのものじゃなくて、物理干渉を支配する…だから物理干渉の上位でレベル4のリンクになるのか』

『そうじゃな、あらゆるタレントを支配できうる能力、それがリンクじゃ、しかし逆に形のない力とも言える』

『じゃ俺も物理干渉を使えるってこと?』

『そうとも限らん、タレントには向き不向きがあるからのぉ』

『そんなのあんのか』

『小僧の持ち味は集中【コンセントレイト】じゃろうな、レベル2じゃ』

『それが俺のレベル?』

『うむ、そしてレベルに関係なく自分に向いてない能力を使うのは難しい、演算能力が追い付かんからな、原理は理解できても実行はできんじゃろうて』

『確かに物理干渉は俺一人じゃ計算できないな』

『結局私はレベルいくつなんですか?』

『限りなく4に近い3じゃな』

『ゆいりくんと同じ能力は使えるんですか?』

『言うたじゃろ?向き不向きがあると、お主はコンセントレイトの適正が低い、小僧のような広範囲をカバーできる集中力はない』

『レベルは難易度が基準ってだけで、能力の優劣を表すわけじゃないのね』

『そういうことじゃな』

『要するにリンクって得意分野を伸ばす能力ってこと?』

『まぁ簡単に言えばそうじゃな、今はそう解釈して問題なかろう』

『今は?』

『いずれわかるわい』