(リンク解除)

『ふわぁ!』

『大丈夫?横峰さん』

『大丈夫、ちょっとびっくりしただけ』

『そ…っか…』

意識が遠のく。

『ちょ…水辺君こそ大丈夫!?』

『大丈夫、リンクするとすっげぇ疲れるだけ…すぐ復活するよ…』

『疲れるの?セカンドなのに?』

『神経使うからかな?』

『ごめんね…』

『いいって、俺が好き好んでやったことだし』

『す…好き…』

『ん?どうしたの横峰さん?』

『なんでもないです!!』

『そう…?ならいいけど』

『うん…なんでもない…』

『よし、だいぶ回復してきた』

『ほんと?よかった…』

『うん、フヨフヨできるようになった』

『本当にありがとう』

『いいっていいって、お互い無事で何より』

『でもそれじゃ私の気が…』

『じゃぁさ、もう一回おっぱ…』

『ゆいりくんのアホっ!!』

『アホって…って言うか唯里君とな?』

『うん、ゆいりくん』

『うぉぉ…母ちゃんと姉ちゃん以外の女の子に名前で呼ばれるのがこんなに快感だとは…』

『私のことも名前で呼ぶように』

『ぬ…それは照れくさいですよ…』

『呼ぶように!』

『し…しの…ちゃん…』

『はい♪』

(ぬあぁぁぁ!なんだこれ!?なんか全身が痒い!ような気がする!)

『ところでゆいりくん…あれ…どうしよう』

詩乃の視線の先にはつい先ほどまで詩乃を覆っていたノイズが漂っていた。

『えっと…ほっといて…いいんじゃないかな…うん、たぶんそのうち消えてなくなるよ!』

『そ…そう…だよね!』

『うん!そうに違いない!』

その後、とある街のとある本屋の裏、黒い霧のような塊が見える…という都市伝説が長く語り継がれることになるのは内緒。

『しのちゃん』

『うん?』

『復讐、まだしたい?』

『うん、犯人のこと、許せはしないけど…復讐したいとはもう思わない』

『負の感情…ノイズが分離したからかな?』

『なのか…な?』

『じゃもうここに用はないね』

『うん』

『行こうか♪』

『うん♪』