でも嘘だっていいから、恋人になりたかった。 だからこれでいいんだ。 そう思い込むしかなかった。 「あら。菊、帰ったのね。晩御飯あるわよ」 「はぁい」 お母さんの温かいご飯で、気を紛らそう。 そうすればもやなんて消えるはずだから。 いつかはきっと、キミに好きだって言ってもらえるように。 嘘の関係から頑張っていこう…。 そんな思いで、次の日を迎えた。