「そ、そんなこと出来ないよ」



どちらにとよくないことだと思った私は懸命に断る



でも翼は、



「ねえ、お願い、椿にしか出来ないんだ」



まるですがり付くように懇願する



でも、ここで首を縦に振るわけにはいかない



翼の為にも、紅蓮の皆の為にも



そう思っていたはずなのに………



「お願い、少しの事でもいいんだ、例えば今誰といるとかそんなこと程度でいいから」



とても必死なその言葉に私は「分かった」と言ってしまった



それから話が終わると私は「今日はもう帰るね」と言って逃げるように家に帰った