黒い羽と嘘と執着


翼は話を聞き終わると片手で目元を押さえてため息をつく



……やっぱり族と関係があるのはまずいよね?



そう思っていたら翼の口から出た言葉は意外なものだった



「椿、ごめん!!」



え、ごめん?



「椿を襲わせたかったわけじゃないんだ、まさかこんな大事になるとは思ってなくて」



え?え?話がよく分からない



「翼、何、どういうこと?」



「……実は、僕なんだ、椿を襲った男に女の人に絡むように頼んだのは」



「え、翼が私の事を襲わせたの?」



そんな、なんで?



「違う、そうじゃないんだ」



翼は俯いて黙り込んでしまう