お母さんと共に居間に向かう。
「沙羽。沙季はまだか?」
「沙季はもう少し掛かるんじゃないかな?ゆっくり帰ってたしイヤーカフちゃんとしてたよ。」
「そうか。」
威圧感たっぷりなこの人は私のお父さん出羽 辰季(デワ タツキ)
この出羽家の大黒柱。
そして…
ガラガラガラ__________
玄関が開く音がして沙季が帰って来たことが分かる。
「親父巡回俺も行く。」
「分かった。沙羽。沙季。着替えてこい。」
「「はーい。」」
私と沙季は各自部屋に戻ると制服を脱ぎ捨て巡回格好になった。
黒いロングワンピース。
黒い洋服に身を包んだ私と沙季は腰に目立つ茶色のヒョウ柄のベルトをつけた。
私たち出羽家は先祖代々から続く鬼。
鬼と言っても一般的な角が生えて赤や青、黄色といった鬼ではなくて人間の体をしている。


