月星鬼







グフッ___





鈍い音と共に2人の呻き声が混じる。







ミールは沙季傷口を舐め癒す。






みるみるうちにかさぶたが出来、段々薄くなって行く。







風が止む頃鬼の足元には神が倒れていた。







「ねぇ…殺していい?」







静かに聞いた私の目には2人自身を見ていなかった。













「…グフッ…ゴメンネゴメンネ……バイバイ」











2人が倒れていたところには血溜まりが出来ていた。








「沙季!大丈夫?もう痛まない?」








「あぁ…気を付けろよな。怪我してねぇか?」








「うん!私は大丈夫だよ!」








にっちーに襲われていた女性2人は意識を失い傷も治っていた。









「これで、今日は終わりだな。」






「うん。」






桜の刻印に手を当てお父さんに報告してその場から消えた。








沙季はミールが舐めた癒しと元々からの治癒力で完治した。








だけど、それでも普通の傷よりは時間が掛かっていた。









「流石神だね。」







「そうだな。あんな深く抉られると思わなかった。」





「ゴメンね?」







目を潤ませ泣きそうになる私に頭に手を置き慰めた。













「まぁ沙羽の警戒不足だな。気を付けろよ。」




「うん…うん!」







私は目を曇らせる沙季に笑って見せた。